美しき砂嘴(さし)「富岡半島巴崎」の海浜植物
富岡半島巴崎
鳥の嘴のような半島「富岡半島巴崎」。天草・島原の戦いの幕府軍拠点地「富岡城跡」が近くにあります。浴岸流で運ばれた砂礫の島には、冬には県指定天然記念物ハマジンチョウ。夏にはハマユリやハマユウ等南方の植物が豊富。散策してみませんか。
鳥のくちばしのような半島
鳥の嘴(くちばし)のような形の半島、砂嘴(さし)。苓北町富岡には、この独特の形の岬「富岡半島巴崎」があります。砂嘴は半島や岬の入り込んだ場所に、沿岸流により運ばれた砂礫が細長く堆積した地形の事。
天草・島原の戦いで幕府軍拠点地であった「富岡城跡」からは、まるでキウイの嘴のように伸びた巴崎が一望に見渡せます。
南方の海浜植物群生する巴崎
雲仙天草国立公園の当別地域に指定されている「富岡半島巴崎」。というのも、この半島には海浜植物が群生していて、九州大学理学部付属の天草臨海研究所の研究用地になっています。
特に、1月~3月に小さな沈丁花に似た花をさかせる「ハマジンチョウ群落」は県指定天然記念物。他にもハマユリ、ハマユウ、ハマエンドウやハマヒルガオ、ハマダデシコなど多くの海浜植物が観察できます。
島原と結ぶ高速船も行き交う
富岡半島の入り口の富岡港からは、島原半島の茂木港へ向けて高速船が定期的に運行しています。所要時間は約45分。白波を上げ、通過する高速船。
天草四郎を旗頭に、天草の民衆はこのルートを船を漕ぎ渡っていったのでしょうか。想像力膨らむ場所でもあります。
砂嘴の内側にはハマボウ群生
「富岡半島巴崎」の半島の内側には、ハマボウが群生しています。内湾海岸に自生する塩生植物でもある、ハマボウ。「浜辺に生えるホオノキ」、「浜朴(ハマホウ)」が和名です。夏に黄色いハイビスカスのような花を咲かせ、天草市の市の花でもあります。
歩きやすい靴でゆっくりと
海浜植物が多く自生する「富岡半島巴崎」。入り口の見た目より、意外と一周に時間がかかります。歩きやすい靴で、時間をゆったりとっての散策がおすすめです。カメラを片手に、お友達と談笑しながらそぞろ歩きするにはぴったり。冬のハマジンチョウ開花時期、夏の海浜植物の花の時期に、歩いてみませんか。
まとめ
富岡半島から美しく伸びた砂嘴「富岡半島巴崎」。ここは、半島の美しさのみならず、そぞろ歩けば海浜植物の宝庫。海風にも負けない、強い浜辺の花達を観察できます。花や植物が好きな方には、おすすめです。
■富岡半島巴崎
住所:天草郡苓北町富岡巴崎
アクセス:富岡港~車で5分程度
車 熊本駅~約2時間40分、九州自動車道松橋IC~約2時間20分、天草空港~約40分
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