天草四郎・密談の洞窟「吹割岩」が溶岩ドーム?
天草四郎の洞窟「吹割岩」
天草・島原の戦いの時、天草四郎が密談を行った伝説の洞窟「吹割岩」。秘密の話し合いにぴったりの、岩と岩の割れ目の洞窟です。なんとこの割れ目、約300万年前に天草にあった火山溶岩ドーム頭の裂け目。歴史の神秘と、地球の神秘を見に行ってみませんか。
天草四郎の洞窟って何?
上天草市には、天草四郎の洞窟と呼ばれる場所があります。通称「吹割岩(ふきわりいわ)」。キリシタン弾圧時、天草四郎が主要人物とここで密談を行っていたと言われる場所です。
ドライブで訪れる場合、白涛海水浴場側からは山道を登る看板が細く険しい道です。山側の裏手に回り込んで、少し下る道がおすすめ。山側の道には駐車場もあります。
岩の間の階段を下っていくと
駐車場から細道を下り、更に上り、岩の割れ目に続く階段があります。なんとも神秘的な光が射す場所。ここが「吹割岩」です。
ここで天草四郎は、天草・島原の乱の首謀者達と密かに、計画を練っていたのだとか。天草十七人衆の大矢野作左衛門や千束善左衛門。昭和56年公開の映画「魔界転生」の妖術師として描かれた、森宗意軒などと話し合いをしていたといわれています。
信仰深き天草の人々
岩と岩の谷間になった洞窟「吹割岩」。降りると、小屋の中にはマリア様だけでなくお地蔵様や、お大使様(弘法大師空海を奉った信仰)、不動明王様までいらっしゃいます。
天草は、弘法大使信仰もさかんな島。大矢野八十八か所のひとつ、番外奥の院がここです。今でもお地蔵様は、手作りの帽子や胸かけをきていらっしゃいます。
300万年前の溶岩ドーム?
実はこの「吹割岩」、雲仙普賢岳のような溶岩ドームの頭が押し上げられ、空中にでた時に割れた裂け目なのです。
300万年前の大矢野島には、雲仙のような火山がありました。飛岳、柴尾山、大矢野岳、高杢島などは、その火山噴火でできたもの。人間の歴史だけでなく、地球の歴史も感じる貴重な場所です。
「原城」につながる抜け穴伝説
この「吹割岩」、島原の原城まで抜け穴が掘られていた伝説があります。この洞穴の洞内を、昭和60年12月に熊商大(現:熊本学園大学)の探検部が調査。しかし、落石で埋まり調査できなかったそうです。
伝説では原城落城時に、天草四郎はこの洞窟から逃れて来て生き残ったとの伝説もあります。
まとめ
天草四郎の密談の伝説がある「吹割岩」。300万年前の、火山の溶岩ドームの割れ目でもある不思議な霊場です。落石の危険もあるため複数人で頭上を注意しながらの観光がおすすめ!
■天草四郎の洞窟「吹割岩」
住所: 熊本県上天草市大矢野町登立
*ドライブの場合「吹割岩駐車場」を検索していくとアクセスがスムーズ
アクセス:車 熊本駅~約1j時間40分 九州自動車道松橋IC~約1時間10分 天草空港~約1時間20分
地図:クリックするとGoogleマップが開きます