肥後三名泉! 宇土「轟水源」は日本最古の上水道
轟水源
海に囲まれた宇土半島の貴重な水源、轟水源。日本の名水100選に選定され、古くは肥後三名泉と記された名水です。また、江戸時代に作られた日本最古の上水道は、今でも現役で利用されています。水温平均16度。夏は涼しさ感じる水源に行ってみませんか。
環境庁指定「日本の名水100選」
宇土半島の湧水、轟水源。宇土市にある、約20カ所あまりの湧水の中でも1日約3.000tと最大の水量を誇る水源です。熊本の地誌「肥後国誌」の中では、肥後国三轟水と記された名水。
1985年(昭和60年)には、環境省選定名水百選にも指定されています。
地域の水汲み・水遊びの場
水源は夏でも比較的涼しく、人々がペットボトルをもって水くみにやってきます。沸かしてのむことを推奨されていますが、水道水とはひと味ちがった自然な甘みを感じるお水。
年間をとおして水温は約16度。轟水源の南西、火山岩からできた大岳(おおだけ)や白山などに降った雨が地下水として湧出している轟水源。夏は子供達の水遊びの場所としても賑わう場所です。
江戸時代から利用! 日本最古上水道
轟水源は水質が良いだけではありません。江戸時代より利用されてきた、日本最古の上水道でもあります。現在でも現役で近隣120戸の家庭用水の上水道です。
もともと海に囲まれた宇土半島は、井戸を掘っても海水が混じる事が多く水にはあまり恵まれない場所。そのため宇土藩初代藩主、細川行孝公が寛文3年(1663年)に轟水源より約3キロ離れた城下まで、総延長5キロにわたる轟泉水道の工事を行いました。
当時の水道管はなんと、陶磁器製の陶管。陶磁器は破損しやすく、第六代藩主興文公が馬門石を使った石菅に改修し、現在まで利用されています。
季節の花咲く「轟泉自然公園」
轟水源の近くには「轟泉自然公園」があります。季節ごとに、梅、桜、菖蒲、紫陽花などの花々が咲き散策には気持ちの良い場所です。また、江戸時代から伝わる大太鼓(雨乞い大太鼓)26基が収蔵されている、宇土市大太鼓収蔵館。轟泉資料館など、歴史に興味がある方にも楽しい場所です。
宇土のお殿様ご隠居所・轟御殿跡
宇土市大太鼓収蔵館から、少し上った所には轟御殿跡があります。宇土細川の第十一代のお殿様、立則公のご隠居所跡地です。美しい名水の側のご隠居所。想像力が膨らみます。
この地は、歴代の宇土細川家の墓所跡地でもあり飾りの落ちた石灯籠ひとつも長い時間と歴史を感じさせる場所です。
看板で見る轟泉水道ルート
轟水源は日本名水百選、日本最古の現役上水道の内容がわかる看板がいたるところに建てられています。水で困っていた地域の人々。きれいに掃除された水源の周りをみても、大切に守り継承されてきている水源です。
まとめ
日本名水百選にも選ばれている、宇土半島の轟水源。海に囲まれた宇土半島は古くから生活用水の入手困難だった場所。水源と共に宇土のお殿様が町まで引い最古の上水道が、今でも現役で利用されている歴史を感じる場所でもあります。ペットボトルをもって、水をいただきにいってみませんか。
■轟水源
住所:熊本県宇土市宮庄町
アクセス:車 JR宇土駅~約10分 熊本駅~約40分