崎津教会と同時に巡りたい!「天草コレジヨ館」
天草コレジヨ館
戦国時代の天草に、宣教師を養成するコレジヨがあったのを知っていますか?コレジヨは大分から長崎に移転。さらに秀吉の目を逃れ天草に移転。当時は、ヨーロッパに視察団が赴いたり、活版印刷も行われていた天草。当時の西洋文化をのぞいてみませんか。
天草から少年使節団ヨーロッパへ!
戦国時代の1591年から1597年までの間、宣教師を育成する高等教育機関コレジヨ(ポルトガル語でカレッジ=学校の意味)が、なんと天草にありました。神学だけでなく、ラテン語や最新のヨーロッパ文化が学べたコレジヨ。また、キリシタン大名とイエズス会の命により4人の少年が当時、ヨーロッパに派遣されます。その天正遣欧使節団の身に着けていた衣装が写真の衣装です。当初は、その頃の正装である裃(かみしも)でローマ法王に拝謁する予定だった使節団。ローマ市民に、その姿を不思議がられ笑われる事もあったため急遽変更になったそうです。
少年使節団が持ち帰った西洋文化
「天草コレジヨ館」では天正少年遣欧使節団が持ち帰ったグーテンベルク印刷機や西洋文化を復元、展示しています。このグーテンベルク印刷機によって日本初の金属活字による活版印刷が行われました。その他にも、使節団が持ち帰った西洋の楽器の複製。天草で印刷された天草本など興味深い物が展示されています。
天草で印刷された「天草本」
使節団が持ち帰ったグーテンベルグ印刷機ではコレジヨで利用される本も印刷されました。「どちりいな・きりしたん」はキリスト教の教義の本です。また、「天草本」で有名なものとして「平家物語」「伊曾保物語」など印刷された物が展示されています。この本で400年以上前の少年たち、そして逆に日本語を学びたい宣教師たちが勉学に励んでいたのでしょうか。想像力が膨らみます。
ESOPO(イソポ)の宝箱
コレジヨのこと、天正遣欧使節団の持ち帰った文化などの展示。その先には、グーテンベルク印刷機で印刷された中でもよく知られている「伊曾保物語」を題材にした作品「ESOPO(イソポ)の宝箱」が展示されています。天草出身の造形作家gaju氏の作品で非常に見事!粘土に色んな素材を組み合わせたオブジェ、立体イラストレーションの作品を制作するgaju氏。異世界を除いた気分になれます。
「伊曾保物語」を読破した気分
「天草本」の「伊曾保物語」のイソポ(イソップ)の容姿の記述を参考にできるだけ忠実に再現されたイソポの人形。そのイソポがさまざまな難題を解決していくストーリーが立体のオブジェで描かれています。展示を最後まで見終わると、「伊曾保物語」を読破した気分に!とてもよくできていておすすめです。
世界の平和はこどもから
「天草コレジヨ館」2階の展示室には、たくさんの世界の人形達や絵本が展示されています。各国によって、人形の服装、髪の色、肌の色、雰囲気まで個性豊かな人形達がせいぞろい。この人形達は「世界の平和はこどもから」の思いを抱いた、園田天光光氏が100カ国に平和大使として送った人形達。思い応えた国から贈られてきた人形達が集まり、平和の思いを伝えています。
天草南蛮手まり
2階には郷土先達資料展示室もあります。この美しい模様の手毬は「天草南蛮手まり」。天草四郎の恋人が、四郎を思いながら手まりを作ったことが始まりだといわれています。色彩も模様もどこか南蛮風。西洋文化と天草の文化の繋がりが感じられる伝統文化です。
まとめ
「天草コレジヨ館」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?この「天草コレジヨ館」は現在世界遺産候補の一部、「崎津教会」への通り道にあります。素通りしがちな施設なのですが、入ってみると興味深いものが展示されているんですよ!「崎津教会」に行かれる方は一緒に立ち寄っていくと、より当時の天草と西洋の関わりが感じられる場所です。
■天草コレジヨ館
住所:863-1215 天草市河浦町白木河内175-13
電話:0969-76-0388
営業時間:8:30~17:00(最終入館16:30)
休館日:12/30~1/1
アクセス:車 熊本市から車で2時間40分 九州自動車道松橋ICから2時間10分 天草空港から45分
バス:天草ぐるっと周遊バスがおすすめ 本渡バスセンターから天草コレジヨ館下車 約40分程度
地図:クリックするとGoogleマップが開きます