妖怪「油すましどん」の墓?栖本河童街道が愉快
妖怪「油すましどんの墓」
天草最大の川、河内川沿いの「栖本河童街道」。その中ほどに、妖怪「油すましどんの墓」があります。アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場し、博識で囲碁好きの妖怪。妖怪が出そうな、豊かな田園風景「栖本河童街道」の「油すましどんの墓」をご紹介します。
天草・栖本町は伝説多き土地
天草最大の川、河内川が流れる栖本町。美しい川を中心に田園風景が広がり、ホタルも見られる自然豊かな地域です。大きな川が流れるこの地域には、もちろん河童の伝説もあり。
国道34号線沿いには4キロにわたり、栖本河童街道が続いています。川沿いや橋の欄干には、表情豊かな河童像が27体も。ドライブしつつ、河童探しが楽しい場所です。
え? 油すましどんの墓!?
ここ、栖本町には「油すましどん」の伝説があり、お墓もあるんですよ。栖本河童街道の栖本町から教良木方面に向かう途中、「油すましどん」と書かれた大きな看板が目印。道路沿いに駐車場があります。もっと近くに止めたい方は、看板沿いに少し山道へ入ると「油すましどんの墓」専用駐車場もあります。
妖怪も出そうな墓までの山道
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」や、古くは映画「妖怪大戦争」で妖怪のリーダーとして登場する、「油すましどん」。博識で、将棋好き。蓑をまとい、杖をついた頭の大きな妖怪です。
天草弁では、すます=搾る。山茶花の実から搾る「かたし油」が昔は作られていた栖本町。自分で搾った油なのか「油すましどん」は、油瓶を下げています。
「今もー出るーぞー」
駐車場の先は、今でも妖怪が声をかけてきそうな山道。1932年発刊の浜田隆一著「天草島民族詩」によると、老婆と孫が草積峠という峠を通る時、「油すましどん」の噂話をしながら歩いていたところ「今もー出るーぞー」と言って出て来たのだとか。
今も備えられている油瓶
こちらの写真、中央が「油すましどん」のお墓。道路の拡張工事の時に移築され、その際に頭の部分がなくなったそうです。今も備えられている油瓶。
「油すましどん」は、むかし知恵者で油搾りの名人が、栖本町の草積峠で行方不明になったことに由来しているともいわれています。このお墓はその供養のために建てられたそうです。声をかけたら、返事があるかも!?
まとめ
ビルの立ち並ぶ現代では、あまり語られなくなった河童や妖怪の世界が天草にはリアルに残っています。妖怪や伝承はあながち、全てを否定できないもの。人間が自然に対していただく畏敬の念を再認識しに、出かけてみませんか。
■妖怪「油すましどんの墓」
住所:天草市栖本町河内2950
アクセス:車 熊本駅~約1時間40分、九州自動車道松橋IC~約1時間30分、天草空港~約40分
地図:クリックするとGoogleマップが開きます