「ふるさと,天草に帰る」 心に響く絵画展
金陽会作品展
込められた思いは響く。「ふるさと、天草に帰る」は菊池恵楓園絵画クラブ金陽会の作品展です。ハンセン病で帰る事が叶わなかった故郷へ、絵で里帰り。背景を知らずとも、絵を見て感じ知っていく。コロナ禍の今だからこそ、見ておきたい貴重な絵画です。
描かれたふるさとへの思い 帰郷
「ふるさと、天草に帰る」。
この展示会のタイトルだけを見ると、天草の人が故郷に帰って開かれる展示かな? と思いがちです。しかし、この絵画達は帰りたくても帰してはもらえなかった壁の中で描かれたもの。
背景を知らなくとも、心に響く作品達。これは、日本でも最大規模のハンセン病療養所菊池恵楓園の絵画クラブ、金陽会の絵画展です。
「光の絵画」と呼ばれる金陽会の絵
多くの人の心に。何かを残し天草市で終了した絵画展。次回、以下の日程で開催されます。
・上天草展 10月21日(水)~28日(水)
松島総合センター「アロマ」研修室
・苓北展 10月31日(土)~11月8日(日)
社会福祉法人慈恵会ふれあいスペース如水館
「光の絵画」と呼ばれる「金陽会」の絵。
写真の絵は6歳でハンセン病を患い、療養所で過ごすこととなった木下今朝義さんの絵。82歳の時に描かれた作品です。国の隔離政策進めた法律が廃止となった年に描かれています。
天草の海を描いた「郷愁」
絵画展は、天草出身の吉山安彦さん、中原繁敏さんの作品を中心に展示されています。天草の海を描いた「郷愁」の見事な青色。海辺に座る小さな人影。
作品には、それぞれ丁寧な解説がついています。見ては感じ、読んで更に作品の心と背景を知る。今回の作品展の特徴でもあります。
心を表現し描く
金陽会は1人の看護師さんの呼びかけで、絵を合評していた事が始まり。絵も心も明るくしようと、金曜は金陽に変更されました。
17歳から菊池恵楓園に入園。74年間を過ごし91歳となった今でも描き続けている吉山安彦さん。多い時は20名程いたメンバーの、作品を残す事も大切にされています。
作品だけでも故郷に
写真の絵は、同じく天草出身の中原繁敏さんの作品です。「天草灘に沈む夕日」はハンセン病と診断され苦悩するなか、天草に帰る途中の夕日を描いたもの。中原繁敏さんは、天草に帰ることなく、6年前に亡くなられました。
ダイナミックな画風「次郎丸岳」
(写真:桂木誠志)
ダイナミックな画風の中原繁敏さん。写真の絵は、天草の上島で馴染み深い次郎丸岳です。荒々しい山肌なのに温かみも感じる次郎丸岳。いつも見ていた風景を、急に見れなくなった日々。他にも、下島の牛深沖の奇岩、獅子岩など故郷天草の景色を描かれています。
10月25日(日)次郎丸岳ウォーク
(写真:桂木誠志)
中原繁敏さんが描いた、次郎丸岳に実際登ってみようと企画されている「次郎丸岳ウォーク」。10月25日(日) 9:30~13:00の予定です。参加料・保険料200円。10月16日の参加締め切りではありましたが、追加でも受け付けされています。参加申し込み:(事務局長:桂木 090-2480-0987)
ライオン岩で絶景写真も
(写真:桂木誠志)
九州百名山にも選ばれている次郎丸岳。ライオン岩という突き出た岩があり、ここから眺める風景は絶景です。松島や沖合いの普賢岳まで見えるパノラマな展望が広がっています。専用駐車場から往路の目安約1時間25分の山登り。時間が合えば参加してみませんか。
まとめ
菊池恵楓園の絵画クラブ、金陽会の作品展「ふるさと、天草に帰る」。背景を知らなくても、本物の絵の美しさ強さ、迫力、繊細さはぐっと伝わってくるものがあります。絵をみた後に背景も知りたくなって、感じる。貴重な絵画展に行ってみませんか。
■「ふるさと、天草に帰る」
ー 菊池恵楓園絵画クラブ金陽会作品展 ー
*コロナウイルス感染防止のため、マスクの着用と検温にご協力をお願いいたします。
・上天草展 10月21日(水)~28日(水) 松島総合センター「アロマ」研修室
住所:上天草市松島町合津4276-23
開催時間:10:00~17:00(最終日は16時)
休館日:10月26日(月)
・苓北展 10月31日(土)~11月8日(日)
社会福祉法人慈恵会ふれあいスペース如水館
住所:天草郡苓北町上津深江278-2
開催時間:10:00~17:00(最終日は16時)
休館日:11月5日(木)