延命水に藤!天草の「延命地蔵尊」がありがたい
延命地蔵尊
水不足が多い天草にあって、豊富な地下水が湧く佐伊津地区。そこには、日本むかし話にも登場した、顔なし地蔵様がいらっしゃいます。ここ「延命地蔵尊」は、延命水が汲めるだけでなく、春には白と紫の藤棚が美しい場所。お参りし、水をいただきませんか。
天草にあって豊富な地下水! 佐伊津
天草は、降水量が少なくからっと晴れることが多い地域です。そのため、水不足にもなりやすい。そんな中、下島北部の佐伊津は天草では珍しい豊富な地下水に恵まれた地区です。
生活用水から、業務用水のほとんどを佐伊津地区は地下水を利用しています。夏は冷たく、干ばつの時でも水が利用できる佐伊津。ここには、エゴチ様と呼ばれる延命地蔵尊がいらっしゃいます。
参拝者のお香絶えぬ「延命地蔵尊」
佐伊津町の隅田川上流には、地元の人々から「エゴチ様」と呼ばれる、顔なし地蔵様がいらっしゃいます。両サイドの樹に守られるように建つ延命地蔵尊。
地元の人々の信仰があつく、参拝者のお香が絶えないお堂。それは、お堂からでると髪にふわりと香りが残る程です。
日本むかし話でも知られるお地蔵様
この延命地蔵尊、鎌倉時代の源信(恵心層都)の作といわれています。
堂内の記録によると、それは、昔の大干ばつの時のお話です。他の田がカラカラでも、水が満ちあふれていた田んぼがありました。
不思議に思った百姓が見張っていると、どこからか水を引き入れる人影がありました。そこで、声をかけると返事もなく、お堂の方向に消えてしまったのだとか。百姓は、その人影を御堂のお地蔵様の化身だと確信し「自分の田だけに、水をひくとは何事だ」と怒り、お地蔵様の顔をそぎ落としてしまったのです。
パワースポットとして信仰される地
あろうことか、お地蔵様のお顔をそぎおとしてしまった百姓。その後不思議な病気になり、黒焦げになって亡くなったといわれています。
そこで村人は、百姓を哀れに思い、またお地蔵様の力に畏敬の念を抱きお参りしたのだとか。それからは、お地蔵様は病気の人や不幸があった人に田畑を貸しますます、信仰されました。
美しい! 白と紫の藤棚
延命地蔵尊の両脇には、美しい藤棚があります。お堂に向かって左手は白い藤。右手は紫色の藤。白い藤は香りが高く、紫の藤はカーテンのように長く枝垂れています。春の光を浴びて、幻想的な風景。必見です。
「延命水」の水汲み場
延命地蔵尊の場所は、昔話のとおり今でも地下水が湧いています。多くの天草の人々が、お水をいただきにくる水汲み場。御堂に御参りし、藤の花を堪能したら、「延命水」をいただいて行きませんか。春に御参りすると、楽しみが多い場所です。
まとめ
水不足の時でも、地下水が絶えない「延命地蔵尊」。藤の花で人々の心を癒し、「延命水」が喉を潤してきたパワースポットです。
■江川地「延命地蔵尊」
住所:天草市佐伊津町3954
アクセス:車:熊本駅~約2時間30分 九州自動車道松橋IC~約2時間10分 天草空港~約10分