お勧め! 天草コレジヨ館で九州西海岸と南蛮文化企画展開催
天草コレジヨ館企画展
天草の観光前に立ち寄ると、旅が数倍楽しくなる! そんな企画展が、河浦町天草コレジヨ館「Amacusaと九州西岸のNAMBAN」です。天草だけでなく、九州の西海岸や大分など南蛮文化に係る出土品や遺物を多角的に展示。コンパクトながら充実した内容、お勧めです。
﨑津集落に行く前に立ち寄りたい
河浦町の天草コレジヨ館で、﨑津集落世界文化遺産登録3周年記念の企画展「Amacusaと九州西岸のNAMBAN」が開催中です。規模はさほど大きくなく、時間はとりません。しかし、とても充実した企画展なのです。
見ると見ないでは、大違い! 期間も2021年12月3日(金)~2022年2月28(月)と長期にわたり開催されています。
コンパクトだけど貴重な遺物が集結
何が充実しいるか。天草で発見された遺物を中心に、周辺の長崎や大分とのキリスト信仰、南蛮文化のかかわり。そして、流れ。そういった目に見えづらい歴史の欠片を天草だけでなく、県をまたぎ展示されているのです。そのため、広く多角的に時代を感じることができます。
また、展示物は小さいですが一つ一つの解説が充実しています。小さいものだからこそ、人々が大切にし、時代を超えて残っていることの貴重さが伝わってきます。
普段は離れた場所にある遺物も
普段は天草でも離れた場所にある貴重な品々が一同に集められています。特に南蛮寺跡の「正覚寺」キリシタン墓碑などは、なかなか足を運ばない場所。その、キリシタン墓碑と大分県臼杵市のキリシタン銘石碑を併せてみる機会は、なかなかありません。
その他にも、河浦町の馬場遺跡で出土した「華南三彩貼花文壺」の欠片に、長崎、大分の「華南三彩貼花文壺」の出土品。沈没船の引き上げ資料まで一同に展示してあります。小さな破片が、大きな流れのひとつの象徴である。そんな歴史の奥深さを、を見せてくれます。
松の木の根元に壺! 中には…
よく見ると、はっとするようなストーリを持った出土品もあります。
「ロザリオと壺」は、華南産の白磁壺の中に、コンタツ(鹿角製)のクルスやマリア像などが入っていたもの。なんとこの壺、昭和40年代、﨑津小高浜の海岸工事の際に発見されたものです。松の木の根元、地下2mの場所に眠っていました。誰がいつ、どういう経緯で埋めたものなのか。想像力が膨らむ出土品です。
天草氏や遣欧少年使節と活版印刷
また、天草と南蛮文化を大きく近づけたのが、遣欧少年使節団です。天草にあったといわれる、聖職者育成のための神学校(コレジヨ)。学生4人がローマ法王に謁見しました。
その時、使節団が持ち帰った活版印刷機で、印刷された活版印刷の本。「教皇シクスト5世謁見記念メダル」や、謁見の様子が記述されたヨーロッパの書物。布教から幅が広がった、育成の歴史も興味深い部分です。
必見! 展示品の背景までわかる資料
企画展の情報や感動を、記憶だけでとどめておくのはもったいない!そう思われる方には、企画展の資料が販売されています。展示品の数々が写真入りで解説されていて定価700円。
この資料は南蛮貿易と各大名の背景や、遺物発見のコラムなどが挿入されわかり易く解説されています。読みやすくまとめてあり、ストーリー感じる資料で、興味を持たれた方にはおすすめです。
まとめ
天草だけでなく、九州西海岸などの貴重な遺物や出土品を一か所で見る事ができる「Amacusaと九州西岸のNAMBAN」。他県の貴重な資料も一堂に集め、わかり易く展示された企画展です。展示スペースでは図りきれない、物語を感じていきませんか。
■天草コレジヨ館
企画展開催期間:2021年12月8日(水)~2022年2月28日(月)
入館料:大人200円 高校生150円 小中学生100円
住所:863-1215 天草市河浦町白木河内175-13
電話:0969-76-0388
営業時間:8:30~17:00(最終入館16:30)
休館日:毎週木曜日(祝日の場合は翌平日)*年末年始12月30日(木)~1月1日(土)
アクセス:車 熊本駅~約2時間40分 九州自動車道松橋IC~約2時間10分 天草空港~約45分
バス:天草ぐるっと周遊バスがおすすめ 本渡バスセンターから天草コレジヨ館下車 約40分程度