大島子で歴史散歩!庄屋別荘・対岳楼跡とアコウ樹
対岳楼跡・アコウ樹
いつもと違う道に入ると、知らなかった世界が広がる。国道324号線から脇道に入った大島子エリアはそんな場所です。幕末の志柿村庄屋別荘「対岳楼跡」、時の流れを感じさせる大きなアコウ樹。歴史散策にうれしい標識も多い大島子。歴史好きの方におすすめです。
国道脇道の先に立派なアコウ樹が!
天草上島から下島に向かう国道324号線、島子付近は特別な目的がないかぎり素通りしがちなエリアです。しかし、脇道を一本入ると幕末の歴史の風情を残す場所があります。
島子交差点の信号機と天草おみやげ処ロフトの間を右折。横道を真っすぐ進むと、突き当りには気持ちの良い港と、入り口にそびえるアコウ樹が見えてきます。ここは昔、どんな場所だったのか。さあ、散策してみましょう。
千鳥貝やコノシロ漁で賑わった港
目の前に雲仙普賢岳がひろがる、島子漁港。今では静かな場所ですが、戦後から昭和38年頃まで千鳥貝や、コノシロ漁で賑わった港です。
気持ちの良い港の入り口には、大きなアコウ樹がそびえています。
島子港にそびえる3本のアコウ樹
石垣の上に、3本の木がこんもりと塊となりそびえるアコウ樹。まるで小さな森のようです。
天草市指定文化財となっているアコウ樹は、幹周りが約7.2m高さ7.5mで樹齢はおよそ300年以上といわれる大樹。幹から下がった気の根は強い生命力を感じさせ、圧巻です。
志柿村庄屋・永野家の別荘跡地
アコウ樹の石垣を小道に入ると、印象的な2木の木に守られた門があります。
ここは「対岳楼跡」。志柿村の庄屋・永野九郎兵衛 の別荘地跡です。この場所には、かつて三階建ての建物がありました。
美観! 対岳楼跡の対岸は雲仙普賢岳
志柿村の庄屋・永野九郎兵衛は学者でもあったため、この「対岳楼跡」の別荘に文人墨客を招いて詩歌を詠み、絵を楽しんだといわれています。対岸には雲仙普賢岳の美観。訪れるだけでも詩の創作や絵心をそそりそうな場所です。
「対岳楼 」という名前も、その名のとおり雲仙岳と対に建つ楼閣ということから名付けられた名前です。
史跡に標識があり散策楽しい大島子
自身も学者であった永野九郎兵衛は 、地域の教育にも力を注いだ庄屋でした。「対岳楼跡」の前の細道を、国道324号線側に少し上ると、寺子屋寂照庵跡があります。
現代は義務教育ですが貧富の差が大きい幕末の時代、教育に力を入れていた庄屋・永野九郎兵衛。この小道を散策するだけで、人柄が感じられます。
天草の大地主池田屋本家跡も
島子郵便局の少し先には、池田屋本家跡があります。江戸期の天草で五本の指に数えられた大地主、池田屋。島子だけでなく、現在の上天草松島町会津や八代まで広大な土地を所有していた大地主の本宅跡です。
歴史に関連した標識も多い大島子の地域。幕末の時代を想像しつつ、散策してみませんか。いつもと違う道もおすすめです。
まとめ
いつもは通過してしまう場所を、少し脇道に入るだけでいつもと違う風景が広がります。樹齢300年以上のアコウ樹や庄屋別荘「対岳楼跡」。大島子で、歴史散歩していきませんか。
■対岳楼跡・アコウ樹
住所:熊本県天草市有明町大島子2626
アクセス:車 熊本駅~約1時間40分、松橋IC~約1時間30分、天草空港~約25分