有明海干潟・海苔ヒビ美し!風流島・住吉自然公園
風流島・住吉自然公園
有明海の海沿いを走る干潟も美しいドライブコース国道57号線。その道沿いに枕草子にも登場した島があります。その名も風流島。近くの「住吉自然公園」と共に、江戸時代のメイン交通。船の旅にはなくてはならない場所だったんですよ。寄り道してみませんか?
海苔漁がさかんな有明海
宇土から三角に向かう国道57号線は海沿いを走る、美しいドライブコース。道沿いの海岸線は日本の渚百選にも選ばれている、「有明海砂干潟」。干満の差が大きく、三日月の波形の跡が美しい干潟です。ここ有明海は海苔の養殖がさかんで、沖合いに見える海苔ヒビ(海苔を付着させるための木や竹の竿)も風情ある風景の一部となっています。
こんな小さな島が枕草子に!?
そんな有明海の海岸沿いをドライブしていると「あれ?」と思う島があります。干潟の先、鳥居が祀られた小さな島。なんとこの島は古くは「枕草子」や「伊勢物語」にも登場する島!当時は舟が交通手段だったため、熊本へ入る目印となっていたとか。波の浸食もうけずに当時の姿を残すこの島は名前も風流島(たわれじま)。伊勢物語では「島は八十島 浮島 たはれ島 絵島 松が浦島 豊浦の島 まがきの島」と詠われています
900年の歴史をもつ「住吉神社」
この風流島を国道57号線からみて右手に見える半島が「住吉自然公園」です。以前は離れ小島だったこの自然公園は古くから航海の安全を祈った「住吉神社」が頂上にあり、照葉樹の原生林の繁る豊かな島。歴史も古く「住吉神社」は900年前から祀られているといわれます。島には約1、000本の紫陽花が植栽されていて、紫陽花の名所でもあります。
日本最古の灯台跡「高灯籠」
島の頂上手前に「住吉灯台」があります。元々は、肥後六代藩主の細川宣紀が航海中に暴風にあい住吉の神に祈り難を逃れた事から奉納したとか。江戸時代は灯の周りを和紙でまいていた「高灯籠」。日本最古の灯台といわれ、長い年月航海の目印でした。現在の灯台はこの「高灯籠」の跡地に、昭和8年に建設されたもの。歴史ある灯台です。
古来より海上安全の守護神
島の頂上の「住吉神社」は、海上安全の祈願所として約900年の長きにわたり信仰されています。現在の様に列車などの交通がなかった時代は、海が交通の要。当時は、無事な航海は人々の切なる願いだったことがわかります。登ってみませんか?
猫達ものんびり
島の周辺には、漁師の人達からおこぼれをいただける為か、猫達がのんびりすごしています。運がよければ青い海と、お向いの島原「普賢岳」。猫達のくつろぐ姿に出会えるかも。なんとものんびりした美しい風景です。江戸時代から変わらずある道標の島。ドライブの途中で立ち寄ってみませんか?
まとめ
三角へ天草へとドライブする途中に通過する美しい有明海。「あれ?なんだろう」と思っても通過してしまう事が多いのですが、少し寄り道をするとおもしろい風景に出会えます。寄り道もいいものです。
■住吉自然公園・風流島(たはれじま)
住所:〒869-0401 熊本県宇土市住吉町
アクセス:九州産交バス 三角~宇土駅線「住吉宮の前」下車 徒歩約10分
JR三角線住吉駅~車で約15分