天草・祈りの地「鬼の城キリシタン墓碑公園」
鬼の城公園展望台から少し入った所にある「鬼の城キリシタン墓碑公園」。あまり知られていませんが、キリシタン墓碑群やお地蔵様が集められている祈りの地です。大蛇の伝説、巨大な凝灰岩の弘法大師像と実は見所も多い場所。足をのばしてみませんか。
鬼の城キリシタン墓碑公園
点在する墓碑を集めて
「鬼の城展望台」右手の道。車1台が通過するのがやっとの細道を2,3分進んだ場所に「鬼の城キリシタン墓碑公園」があります。ここは、点在するキリシタン墓碑の風化を防ぐため、町内の墓碑を集めて整備された場所。
大蛇が巻いた窪みにお地蔵様?
ここ「鬼の城キリシタン墓碑公園」には大蛇が巻いた跡と言われる窪みがあり、明治初期に周辺から寄進されたお地蔵様、百数体が安置されています。天草は大蛇の伝説も多い島。この地にも体長数尺にも及ぶ大蛇が住み、人々に危害をあたえていたのだとか。
鬼も加勢して大蛇退治
そんな大蛇を、旅の高僧と村人。村人と仲の良かった鬼も加勢して退治したという伝説が伝わっています。確かに、丘のように盛り上がった山の周辺には、ぐるりと巻いた窪み。伝説もうなずける場所です。
旅の僧が修行し掘った不動明王
大正10年、山﨑大観という旅の僧が掘ったといわれる不動明王。この旅の僧は、托鉢修行をしながら、修行に励んだといわれています。この地は、古くからの進行の場所でもあったようです。
巨大な凝灰岩の弘法大師像も!
山﨑大観僧侶は、弘法大師の石像建立も発願。御領の巨大な凝灰岩を切り出し、下浦の石工大塚源作により制作されました。間近にみるとかなりの大きさ。鬼の城の山上まで、約21日かけてかけて運ばれたそうです。かなりの人手がなければ、運ぶことが難しかっただろう大きな御大師様。五和町の人々の信仰心のあつさがうかがえます。
真摯な気持ちで訪れたい祈りの地
観光地としてはあまり知られていない「鬼の城キリシタン墓碑公園」。昔話の鬼は、海外からの外国人という説もあります。
また、天草地域には1088基のキリシタン墓碑が確認されています。そのうち991基が五和町もの。そう考えると、五和町の人々は外国の人と仲良く暮らしていたことから、こういった伝説が伝わったのかもしれません。
まとめ
キリシタン墓碑やお地蔵様、御大師様の祠もあり、古くから祈りの地であった「鬼の城キリシタン墓碑公園」。人気のない山奥のため複数で尋ねた方がベター。真摯な思いで訪れたい場所です。
■キリシタン墓碑公園
住所:熊本県天草市五和町御領6676
アクセス:車 熊本駅~約2時間22分 九州自動車道松橋IC~約2時間 天草空港~約10分
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